じい散歩 (双葉文庫) [Kindle]

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  • 一家の主、新平(94)は建物を見る散歩が趣味の健啖家。
    妻の英子(93)はそんな夫の浮気を未だにしつこく疑っている。
    いい歳の3人の息子は、もう皆んな50近くて誰も結婚していなければ、孫も居ない。
    長男は高校中退後、ずっと引きこもり。
    次男は同性愛者で女装し、三男は事業に失敗して借金まみれ。
    そんななか、英子が認知症と診断され、家族は奮闘する。
    決して羨ましい要素がないはずの家族だけど、どこか微笑ましく思ってしまう不思議。
    どこの家族にもあるような(無いような)、問題だったり、絆だったり。現代の家族っぽい。

    我が家の親も自分達の入るお墓を用意しているけれど、墓の面倒を見る人がいないので、親も私も無縁仏行きかなぁ。

  • 街並みを楽しみながらのんびりお散歩。途中カフェに寄ったり、まったりとしたくなりました。主人公は90過ぎの元気なお爺ちゃん。奥さんは痴呆症。引きこもりの長男、オネエの次男、お金をたかりにくる三男。心配事はいっぱいあるけど、それを感じさせない新平さん。ほのぼのしていて明るい毎日にすごいなぁって思いました。

  • 初めて読む作家さんです。書店で見て面白そうなので購入しました。なんとも言えない雰囲気で話が進みます。最近続編が出版されたようなので楽しみです。

  • audible 。日向ぼっこのような話を期待していたが歳とった自分にはいろいろとシビアだった。現実は厳しいぜ。

  • 思ったよりも俗っぽくて、ちょっと読みにくい。でも90代の男性が、まだまだ体力も元気もあって、子供3人と妻の世話をして、それでも毎日散歩と喫茶店での大量の飲食とを楽しんでいて、ああ、この年代は体も心も強いよね、と時代を感じる。女性となった次男が、結局一番家の助けになっていることは、やっぱり男女の違いなのかな。

  • 90歳の新平は、一人で散歩が趣味。
    89歳の妻はちょっと認知症気味、長男はひきこもり、次男はLGBT、三男は事業に手を出しては失敗を繰り返し…と、問題山積みだが、文句を言いつつそれらを一手に引き受けて、飄々と生きていく…
    年を重ねるに連れて、どうやって死んでいくのか、不安になるけど、新平のようにあっけらかんと生きていけたら…と考えさせられる。
    自分も年取ったからなぁ…

  • 明石新平、英子、夫婦合わせてもうすぐ180歳。
    三人の50歳前後の息子は長男は引きこもり、
    次男は自称長女のゲイ、三男は借金まみれ。
    新平の日課である散歩を英子は浮気だと疑う。
    こんな家族のユーモラスな家族を綴った物語。

    老後のために何かヒントになるかと思って手に取りました。
    想像していた内容よりもかなり違っていました。

    新平の浮気が気になる原因が過去を遡ると理解できますが、
    この年齢になっても女性の名前が出てくるたびに迫るというのは
    けっこうひつこいと思う時もあったり、
    時には可愛らしいと思えたりしました。
    けれどもうそろそろ疑わなくても良いのでは?と思ってしまいました。

    家族に対する不平不満を思い、言いつつも、
    その合間に好きな散歩をルーティンとしながら、
    好きな趣味に取り組んだり新しい事に試みたりと
    新平なりの頑張りが見えて良かったです。
    思ったよりも頼り甲斐のある人だとも思えました。

    日常生活が淡々と綴られていますが、
    どこかくすっと笑えてしまいまいた。
    現実的な重いテーマも紛れ込んでいますが、
    明るくさらりと描かれていて、
    新平のような心構えをしながら日々を楽しみながら
    歳を重ねられたら良いな思えた作品でした。

  • 明石新平.英子、合わせて約180歳の夫婦。同郷で駆け落ちに近い結婚をし、若い頃は苦労もした。会社を起こし潰した経歴。3人の50歳前後の息子は長男は引きこもり、次男は自称長女のゲイ、三男は借金まみれ。90歳近い新平は毎日散歩するのが日課だが、英子は浮気を疑う。女の名前を出しては新平に迫るが、この歳でとちょっとしつこい。各章に「秘密」と冠せられているが、まぁいろいろあらぁなって感じの新平で。それより、三人の息子が気がかりだが、財産は使いきって死んでしまうという新平の意気込みもわからないでもない。

  • 90近い夫婦と、3人の未婚の息子たち。
    一番しっかりしてるのが父親。

    大変だけど、こうやって生きていくよね

  • 91歳の新平と認知症の1歳年下の妻。閉じこもりの長男と長女になってしまった?!?次男、借金まみれの働かない3男との暮らしぶり。
    主人公のじいは、趣味の町の建物を見て回りながら、美味しいコーヒーと甘い菓子を買い、以前事務所にしていた1室を趣味部屋にして、生活を楽しんでいる模様。
    達観した91歳。ほれぼれしました。
    まあ、人の日常ってこんなもんなのかなって。

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著者プロフィール

1962年福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒。95年「午後の時間割」で第14回海燕新人文学賞、98年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞、2000年『夏の約束』で第122回芥川賞を受賞。その他の著書に『ルート225』『中等部超能力戦争』『D菩薩峠漫研夏合宿』『編集ども集まれ!』などがある。家族をテーマにした直近刊『じい散歩』は各所で話題になった。

「2022年 『団地のふたり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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