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感想・レビュー・書評
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こちらを読みました。
「ザッポスの奇跡 The Zappos Miracles―アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは」
→ pasoboのバインダー(本棚)
http://mediamarker.net/u/pasobo/?asin=4862234054詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これこそ理想的な会社の形。
しかしこれが保てる会社っていうのは相当強靭なシステムの下支えがあってだと思います。それが機能しているのがすごい。
実際にここで購入体験をしてみたいです。
こういう会社が世の中に増えていくといいですね! -
ザッポスという企業の「文化」という側面にスポットライトをあて、人「財」の大切さを説いた本。顧客を幸せにするサービスを提供するためには、会社の従業員も幸せでなければならない、という経営哲学を貫いたらこうなりました、という一種のサクセスストーリーといえます。
「コアバリュー」とか「ハピネス」とか、耳に心地よさそうなカタカナ語が多くて読んでるほうがちょっと赤面しちゃいそうな気恥ずかしさはありますが、採用活動においていかに合わない人をとらないかとか、文化になじめない人を徹底的に遠ざけ、居続けさせない仕組み作りなどはとても考えられていて、「強い組織」を作ることにザッポスの経営陣がいかに腐心してきたかが伺えます。 Joel Spolsky も「ソフトウェア開発者採用ガイド」で「ダメなやつを雇ってしまう間違いを犯すくらいならば、素晴らしい人を雇い損ねるほうがはるかにマシだ」と言っていましたね。
従業員の口から語られる「伝説的な」幸せエピソードは幸せにあふれ、ときに涙を誘います。現場のスタッフが多くの権限を委譲されていて仕事の大部分を自由裁量に任されているとか、専門的なスキルを極めていくことでキャリアアップしていく仕組みとか、経験があり文化に合っているよい人にいかに長く働いてもらうか、という点にも重点が置かれているなど、ザッポスの組織作りの方法論が惜しみなく紹介されています。
一番感心したのは、専門的なコールセンターのキャリアをもつ人材を多く獲得したいがために本社を丸ごとサンフランシスコからラスベガスへ移転してしまったというエピソード。ザッポスという企業の本質はユーザーサポートなのだから、コールセンター「部門」という考え方はしないし、ましてやコールセンタースタッフだけを本社と別の場所へ移動するなどできない、という決断は、そういうものこそ英断と呼ぶにふさわしいのではないかと思いました。もちろん、その是非は将来成功なり失敗なり結果が出た時点で判断されるわけですが、そういう視点でいうと「はてな」が京都に移転したのも将来英断だったと言われる日が来るのかもしれません(今はまだ結論を出すには時期尚早というものでしょうか)
iPhone 3G の iBooks で読みましたが、文字サイズも十分でデバイスのサイズを考えればかなり読みやすいレイアウトでした。ページ送りの回数が増えてしまってせわしないのはご愛敬。ビジネス書ですし、読むのがはやい人なら二三時間で読めてしまうボリュームでしょうから、電子書籍で安く買い求めるのはお財布にもカバンの重さにもやさしく、良い買い物だったなと思います。 -
どんな業界でも応用できそうなノウハウがたくさん。
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ふーむ、面白いな。
でも、本当にこんな経営で利益が出るのかなあ。
特にビジネスモデルはお世辞にも目新しいとも言えないものだし、
オリジナル製品でもつくっていない限り、価格競争もあるだろうし。
今のビジネスモデルでは、ザッポスはずっとこの社内体制を続けていけないのではと思う。
グーグルやアップルのように決定的な差別化があり利益を確保できるようなモデルでなければ。
利益がない会社の理想論は幻想で綺麗ゴト。何も語らないことよりもたちが悪い。
それはそうとしても、やはり示唆に富んだ内容ではある。
企業文化は大切だと思う。これから人が増えていくだろうけれども、
パーソナリティはしっかり見極めていかないといけない。
もちろん成果をあげるかどうかもとても重要だけれども、
成果を挙げられそうだから、パーソナリティに目をつぶるのはいけないと思う。
ビジネスモデルがしっかりしていて、社内文化が豊かで人を惹きつけられるような会社を創りたい。
そういう会社ならどんな状況に陥ろうとも這い上がることが出来ると思う。
--気になった言葉--
「急成長の時期にこそ、未来への貯金として、企業文化の定義や育成など、会社の基盤固めに心を砕くべきだ」(P15)
「社員の意見を求める」というのは、本当に簡単なことだし、リーダーにとっては、会社の「ありのまま」を知るうえで最も有益な方法なのに、実践している人は意外と少ない。(P16)