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感想・レビュー・書評
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悪魔祈祷書
『この悪魔の聖書では、旧約の処が「人類悪」の発達史みたいになっておりましてね。アダムとイブが、神様を信心し過ぎて肉慾を軽蔑している間は、子供が生まれなかった。』
等の話なかなか面白い、ヒトラーのユダヤ人虐殺などの話知ったら何というかな----詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古臭さを全く感じない短編。
夕立の中、立ち寄った古書店で、店主が話し始めたのは、聖書にしか見えないが中身はとんでもないことが書いてある「悪魔祈祷書」の話…。
すっきりしたオチと、店主のテンポのいい語り口がとても読みやすい。悪魔祈祷書の中身のほうもなかなかしっかり語られていて興味深い。 -
明治・大正の時代にこういったものが書けるなんて、やっぱり彼は数歩先をゆく人間なんだと思う。
ひどい夕立の降る日、古書店で語られるひとと本にまつわるお話。雷鳴とどろくような祈祷書の話。
神は悪魔の手先。見方を変えて考えれば、世界はその見せ方を簡単に変える。もしかしたらそれこそが悪魔的なのかもしれない。ひとりひとり見る世界の違う人間なんて、いとも簡単に誰もが「悪魔」になれるのかもしれない。
夕立がすぐやむように、結末もあっという間で、奇妙なさわやかさが辺りに残るようなそんな印象を受けた。 -
さすが夢野とゆう雰囲気の文体。
落ちはすこし弱いが展開はおもしろかった。