境界の民 難民、遺民、抵抗者。 国と国の境界線に立つ人々

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年2月28日発売)
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感想 : 18
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「(中略)『ベトナム』という言葉で連想される文化習俗集団(エスニックグループ)や文化的故郷(パトリ)への思い入れと、彼らの上部に成立した国家体制への帰属意識はイコールでは結べない」p.17 はじめに

「彼は中国の体制下で大学生になったので、中国語が話せる。だが、言葉を知っていることと漢民族の社会を受け入れることは話がべつなのだった。」p.109 第三章

「多数者の側は得てして、少数者の文化や習慣を自分たちと対等な価値を持つものだとは考えず、多数者にとってつごうのいいすがたや役割を押し付けて平気な顔をしている。
中国の庶民感情や政府の政策はもちろん、日本人に『支援者』たちが彼らに向き合う姿勢ですら、この構図に本質的な違いがないのだ。」p.147 第三章

「日本の社会人の世界は、普段はグローバル化や多文化共生社会といった紋切り型のスローガンを掲げている。しかし、いざ自分たちと机を並べる同僚を選抜する段階になれば、『普通の日本人』というロールモデルへの同調圧力と、ドメスティックな不文律に対する服従をかなり露骨に要求してくる。」p.161 第四章

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年9月12日
読了日 : 2015年9月12日
本棚登録日 : 2015年9月12日

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