今夜もカネで解決だ

  • 朝日新聞出版 (2017年3月21日発売)
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感想 : 50

 AERAに週刊連載されていたコラム。多種多様なマッサージに毎週?必要にかられて通う作者。エステは少なめ。以下印象に残ったものをメモ。

・アジアンリゾートをイメージした某高級スパでの違和感。セクシーなサービスは皆無。しかし他店に比べ男性客が多いことが気になっていた。居心地の悪さは、例えば担当の女性セラピストたちの丁寧すぎる対応。客がセラピストを下に扱っているような後ろめたさが募る印象を持っていた。結論から言うと、このスパで感じた違和感は、都会の男たちのオアシスとしての存在だったこと。しかも社会と同じように自分を敬ってほしい時に行くところだったのだ。作者が考えるホスピタリティとは「労い」。客もセラピストもお互い立ち位置に上下がなく疲れを癒しているところ。

・岩盤浴。メモ「体が冷えていると不必要なまでにネガティブになることがある。」
・ストレッチ。「護身術のような最小限の動きで普段自分では流されないところがのびる、可動域が一気に広がる感じ」らしい。行ってみたい。
・元プロ野球選手のセカンドキャリア。(別の?)ストレッチ店の店主はパ・リーグ某球団の元投手だった。2回で行かなくなったが、勧誘の電話やDMなどが送られてきた。しかしその後店の前を通ると別の店に変わっていた。なんだか世知辛い気持ちになった文章。

・2時間1万3000円、ラグジュアリーなヘッドスパ専門店。場所は赤坂の住宅街、古民家をモダン和風にリノベーションした店。個室でお茶とお茶菓子がつくらしい。
・小顔になるドライヤー。1台15600円。今時(2017年)の高機能ドライヤーは、顔を小さくするらしい。育成光線とマイナス電子がどうのこうのらしい。そして作者はそれを買ったのだった。

《感想》読んでいて、私もなんとなくリラックスしていた。気持ちよさそう。途中から、半分ガイドブックを読んでるつもりになった。それにしても作者は、週刊連載で、ひたすらマッサージだけについて書けるだけあって、週一はマッサージに行ってる。最終的には超高級マッサージチェアも買ってしまった。いつものジェーンスー節もばっちりで、社会の世知辛さや、ビジネスのずる賢さ、女性セラピストに対する扱いなど、社会で感じるもやもやを言語化するのが上手いなーと思う。
 東京?都会?にはいろんな種類のマッサージがあるということがわかる。高級スパにしても、隠れ家スパ、高級ホテルのスパなど、知らない世界がいっぱいあった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コラム・エッセイ
感想投稿日 : 2022年12月26日
読了日 : 2022年12月26日
本棚登録日 : 2022年12月26日

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