その可能性はすでに考えた (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2018年2月15日発売)
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山村で起きたカルト集団の斬首集団自殺。その事件で唯一生き残った少女が、青髪の探偵上苙丞を訪ねる。「自分は人を殺したかもしれない。」と。
事件のあらましと首を切られた少年が少女を抱えて運ぶ記憶について聞いた探偵は、その謎が「奇蹟」であることを証明しようとする。

探偵と刺客の論理的応酬が面白い作品だった。事件現場に居合わせたわけではなく、過去に起きてしまった事件と謎について、少女の記憶と資料のみを頼りに、どんな可能性も論理で破るというスタイルが斬新。平凡な一読者としては、いちいち最初の章を読み返さないと追いつかなかったのが現状だったけど。

登場人物のビジュアル、キャラクターや刺客の繰り出すトリック名が必殺技のような感じで、本格ミステリながらラノベのようなノリで楽しめた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2023年12月3日
読了日 : 2023年12月1日
本棚登録日 : 2023年11月30日

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