星の王子さま (翻訳単行本)

  • 集英社 (2005年8月26日発売)
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本棚登録 : 662
感想 : 79

久しぶりに読んだ星の王子さまは変わらず優しく、そうして新鮮な感情を与えてくれる彼でした。
巻末の訳者として、で池澤氏も仰っている事だが、このお話は詩的だ。
繰り返し繰り返すことで、読み手が手元にあるその『星の王子さま』という本を「飼い慣らす」ことをして初めて深く染入ってくるようなおはなしなのだと思うのだ。
たくさんや便利ということは悪いことじゃないけど、
「飼い慣らす」ことでこそ愛着は湧くという特別を忘れたくない。
それらは少しの不便と手間と時間、
そういうものたちに依ってもたらされるんじゃないだろうか。
情報化社会って言うけど、スマートが良しとされるけど、
ちょっと不格好なものへの親しみの感情を忘れないように。
素敵だと思える意味を考えることを忘れたおとなにならないように。
ゆっくり小さな王子さまの言葉に耳を傾ける時間を今一度、と思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書
感想投稿日 : 2012年5月18日
読了日 : 2012年5月18日
本棚登録日 : 2012年5月17日

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