狐火の家 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2011年9月23日発売)
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本棚登録 : 3697
感想 : 297
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短編集だとどうしても面白みが減ってしまう気がする。
とはいえ、純子と榎本のコンビが好きになってきた。

【狐火の家】
単独犯ではなく、殺人の犯人とそれを隠蔽する父親が絡んでくるので最後まで犯人の予想すらできなかった。
一家のメンツを守るために兄妹間の殺人を隠蔽する父親の行動は、バレなければ正しいものだったのかモヤっとした。
ド田舎で起きた殺人だけに、人間関係のドロドロが絡むストーリーが見たかったけど家庭内で完結していて残念。

【黒い牙】
榎本が手動で推理していく方が好きなので、榎本が現場にも来ずに最終的に純子が結論を出したのは好みではなかった。
もしかしたら現場の密室に巨大な猛毒の蜘蛛がまだ放たれているかもしれない状況はホラーのようなドキドキがあった。
犯人じゃない方の男も癖が強くて面白い人だった。

【盤端の迷宮】
ああいう不正は本当に将棋界であるんじゃないかと、闇を見た気分。
年齢制限がある奨励会に所属している人は犯罪を起こさなくとも物凄いプレッシャーがあるのだろう。
時間の大半を将棋に捧げないと強くなれないのに、年齢制限を超えたら強制退会でいきなり社会に放り出されるのは少し残酷なのでは。

【犬のみぞ知る Dog Knows】
めちゃくちゃ犯人っぽい人が犯人だったという逆どんでん返し??笑
プロの泥棒からすれば番犬なんてどうにでもなるもんなのね笑
結局未だ榎本の正体はあかされず、彼に振り回されている純子が一方的に泥棒だの毒蜘蛛だの言っている関係性が面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年6月14日
読了日 : 2023年6月14日
本棚登録日 : 2023年6月14日

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