私のような戦争戦後体験がなく、そして人生経験も少なく、さらに読書初心者にとっては、かなり辛い読書体験になりました。
むずかしいと聞いていた大江健三郎さんですが、文章とストーリーの難しさはあまり感じませんでいた。
なにが辛かったかというと、時代を反映し全体に流れている「卑屈さ」みたいなものだったように思います。
それは敗戦国に命あるものとしての卑屈さ、でしょうか。息が詰まるような閉塞感とその継続からくる諦めみたいなものが人物の心理に通底しているような気がしました。
この読書には感動も発見もありません。しかし、自分と全然重なるところはないのに、どうしてか共感ができるような心境になってしまいます。置かれた状況は全く異なりますが、ただ、なんとなく、自分と一緒だ、と思うところがあるのです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2020年5月21日
- 読了日 : 2020年5月20日
- 本棚登録日 : 2020年5月8日
みんなの感想をみる