これまでに読んだモームさんの作品の中では比較的エンターテインメント色が強いように感じましたが、小説家でスパイというのがスマートな感じです。
登場するキャラクターたちはどれもみんな際立っていて、それぞれのエピソードがくっきりとしています。
各章読み切りではありませんが、いくつかの短編の連作のように見えます。
戦時におかれた人間の深層を、複数の登場人物の愛憎を折り重ねて描出していくような作品です。
淡々と仕事をこなす諜報員の活動を中心ですので快刀乱麻、八面六臂の大活躍はありませんが、そこに強烈なリアリティを感じます。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2017年10月31日
- 読了日 : 2017年10月31日
- 本棚登録日 : 2017年10月31日
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