集落の教え100

著者 :
  • 彰国社 (1998年3月1日発売)
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感想 : 22
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100の集落から建築空間においての教えを100個記した本。見開きで世界の集落の写真とその集落に対する解釈が記されている。しかしその解釈が集落の全てを語っている訳ではなく、一部抽出した部分のみを語っている。つまり深掘りした解釈では無いのだ。だから集落固有の特徴を述べているわけではなく、普遍的な特徴を述べている。普遍的な特徴を述べることにより、それは建築を作る者に対して「建築空間とは何か」を考えさせるのである。
普遍的な情報で、しかもそれは集落から抽出された情報。しかしその情報が今の建築空間にも共通する。
集落という感覚的に遠いテーマから現代の建築に共通事項を見つけることができて、本当に面白い本だった。まだ完全には理解しきれていない為再読が必要だと思った。

特に以下の3つが特に印象に残った。
[12]集落が好むのは、不動たるものではない。絶えざる変化であり、展開である。
[20]祭りが集落の様相を変えるように、いろいろな出来事が集落や建築を変える。場面を待つように、それらを作らねばならない。
[91]装飾は、あってもよいし、なくてもよい。少なくてもよいし、多くてもよい。しかし集落や建築自体が、風景のうえからすると、自然に対する装飾である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 建築
感想投稿日 : 2022年4月13日
読了日 : 2022年4月13日
本棚登録日 : 2022年4月13日

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