蹴りたい背中

著者 :
  • 河出書房新社 (2003年8月26日発売)
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本棚登録 : 8018
感想 : 1320
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題名が気になって読んでみようと思った一冊ですが
自分と同じ年齢の人が書いたと思えないほど秀逸な作品でした

表現、特に比喩が手に取るように想像しやすく、綺麗でしたし、
文体もすらすら読みやすく、二十四時間かからずに読み切りました
また、心理描写も繊細かつ簡潔な表現でわかりやすいため、
その状況に立ち会ったことのない自分でも
主人公ハツの気持ちを受け入れることは容易でした

もっとも、にな川に対するハツの気持ちはわからなかったです
それは決して作者の表現技法の拙さなどではなく、
あえて気持ちをぼかしたようにも感じましたし、
ハツ自身がわかっていないのかなとも思わされました
ただ、読んでいてなんとなく「好きなこをいじめてしまう」という
関係と似ているように感じたり、でも内容は正反対な気もしたり

続編がぜひ出てほしいと思うと同時に
これで終わってもらってよかったとも思わされる作品でした

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 青春
感想投稿日 : 2012年8月20日
読了日 : 2012年8月20日
本棚登録日 : 2012年8月19日

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