運命の人はどこですか? (恋愛小説アンソロジー) (祥伝社文庫)

  • 祥伝社 (2013年4月12日発売)
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「運命の人はどこですか?」という題が何だか女性向け恋愛エッセイみたいだなぁ、もうちょっと工夫が欲しかったとも思ったけれど、それぞれのヒロインが必死で赤い糸を手繰り寄せ、行き詰った「今」を変えようとする焦燥感が伝わってきて、どの作品も面白く読めました。
気に入った作品をピックアップしてみると…
飛鳥井さんの「神様たちのいるところ」は、展開が少女漫画的でベタすぎないか?と一瞬思ったけど、後半での捻り方が彼女らしく巧かった。
彩瀬さんの「かなしい食べもの」、切なさ漂ってよかったな~、彼女の作品をアンソロジーで読むのは三度目、どれもハズレなし!今後が楽しみな作家の一人だ。
個人的にダントツで好きだったのは、柚木さんの「残業バケーション」。90年前半のドラマの名作「その時、ハートは盗まれた!」を軸に展開するんだけど、当時ドラマのノベライズを多く手掛けていた小泉すみれさんとか、小ネタがいちいち懐かしくて、私も無性にこのドラマを見たくなりました!「運命の人」ってテーマも、いい形でハマっていたかなと。
これらの作品の大部分の初出である文芸誌‘Feel Love’、好きなんですよ。気鋭の女性作家たちがいい作品を発表してるんで、今後の単行本化も楽しみであります。アンソロジーも色々出して下さい、今回のようにいきなりの文庫化は、お財布にも優しいので大歓迎です!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アンソロジー
感想投稿日 : 2013年5月30日
読了日 : 2013年5月30日
本棚登録日 : 2013年5月20日

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