白い巨塔〈第3巻〉 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2002年11月20日発売)
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財前が手術をした佐々木庸平が、財前の欧州出張中に死亡。死因に疑問を持った遺族から訴えられる。

そして、財前の対応に疑問を持った第1内科・里見は、自身にとって、不利益になることを顧みず、原告側証人として、証人台に立つ。

判決は…

確かに財前の医者としての対応はひどいものであった。
ただ財前の誤診が佐々木庸平を死に至らしめた、という医学的根拠はないだろう。
遺族の財前への怒り、庸平を失った悲しみはわかるが、勝てる裁判であったとは思えない…
控訴するというが…

里見も医師として、正しいことをしたと言うが、その前にできることはなかったのだろうか…
『学会の報告の作成で…』

正しいことをしたために、自らは研究者としての道を閉ざされてしまった…

大学病院を頂点とする封建的な医学界。
里見のしたことは正しいのかもしれない。が、医学界で研究者として生きていくには正しいことをしたとは言えないのだろう。
里見の長年続けてきた研究が死んでしまったのだから。

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感想投稿日 : 2023年8月16日
読了日 : 2023年8月16日
本棚登録日 : 2023年8月16日

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