ふたりの距離の概算 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年6月22日発売)
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感想 : 578
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2人の距離の概算という題名、概算って、人の距離はきっちりした数字で表すのは困難なので、ほぼ概算だろう。それを題名に持ってくるということは、「私気になります」
2人の距離はおそらく対人距離のことなのだろうと、正座をしたまま本書を手に取った。

4人とも2年になった古典部に新入生が入る。この新入生もひと癖ある。この新入生は大日向友子という名前だが、名前からして友だちの概念が一味違う。こんな時期もあったと懐かしさを感じる。

マラソン大会で千反田と大日向の間で何があったかを推理しながら走る奉太郎。後から来る古典部のメンバーを待つ体で話を聞いていく。時速7kmくらいで20kmは一般的にはジョギング程度だが、私はヘロヘロになる速さと時間だ。さすが高校生。
この物理的距離も意味を持つのか?

菩薩と夜叉の件はミスリードではないかと勘繰ってしまう。新規オーブンの喫茶店の名前を推理する場面は面白かった。
最後に題名の意味がわかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 米澤穂信
感想投稿日 : 2023年1月19日
読了日 : 2023年1月19日
本棚登録日 : 2023年1月17日

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