遠まわりする雛 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年7月24日発売)
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本棚登録 : 9789
感想 : 638
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短編7作品だが、神山高校古典部のサブストーリーが描かれている。これまでの作品で各キャラクターを必要最低限理解しているものの、この短編集で更に深みが増す。しかし、無くても支障はないと感じる。

総務委員会未承認の秘密クラブは神山高校の七不思議で、もしかして7作品はここから来ているのか?
大罪を犯すでは、通常なら間違わないことを数学教師の尾道が間違ったことから始まる。最後に大罪の意味がわかる。それを大罪と言うなら、私も犯している。
夏休みに温泉旅行に行く古典部一堂、伊原の親戚が経営する温泉宿の本館7号室、おや、ここでも7が出て来た。ますます7絡みが疑わしい。ちょっとホラーか?

校内放送で生徒の呼び出しがある。なぜ教師は呼び出したのか?生徒は何をやらかしたのか?謎を千反田と折木が解いていく。
元旦、神社の社に千反田と折木が閉じ込められる。2人の距離は縮まるのだろうか?
バレンタインチョコに纏わる伊原と福部の話し、こちらも2人の距離は縮まるのだろうか?

表題となった「遠回りする雛」、雛は誰のことだろうか?なぜ遠回りなのか?物理的な遠回りなのか、精神的な遠回りなのか、私の仮説は楽しめる結末を描かれているだろうか?

高校1年間を時系列で古典部の4人が絆を強くしていく様子が上手く描かれている。そして、私の稚拙な予想(勘違い?)の「7」に関係するものは如何に。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 米澤穂信
感想投稿日 : 2023年1月17日
読了日 : 2023年1月17日
本棚登録日 : 2023年1月14日

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