文庫本3冊を読み終えて
現実は変わらなくても気持ちは変わる。歩は次第に幸福感を失って行くが、家族という集合体の中で、気持ち次第で世界を変えていくことができると西加奈子さんが訴えていると思うのである。
男女の違いはあるが、西加奈子さんは歩を通じて、人の人生は気持ちの持ち方で随分変わることが伝わってきた。
ネットでの拡散はウイルスに例えられるケースが多いが、ここでは「イナゴの集団」、昭和のレトロな感じが出ている。
御神木は崩壊の呪文、全巻を通して、この呪文により場面が変わる。しかし、しかしだ、御神木は御神木であって、御神木ではなくなったことに、戸惑いを感じた。
そして家族のひとりひとりの思いを歩が知ることになる。家族や友人との関係は必ずしも形式や言葉ではわからない。それぞれが心の中に想い描いている事が、見事に描写された作品だった。サラバ!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
西加奈子
- 感想投稿日 : 2023年2月28日
- 読了日 : 2023年2月28日
- 本棚登録日 : 2023年2月22日
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