この作品は、三つの楽しめる要素がある。一つはミステリー、もう一つは骨董品について、そして京都、そう思って手に取った。
京都にゆかりのある話は楽しめる。加茂川と鴨川の違いや葵の意味は思わず、そうそうと笑顔になる。
ホテルオークラや百万遍や貴船など京都に馴染みの場所も出てくる。
家頭清貴は、蔵という骨董品屋のオーナーの孫である。そこでアルバイトすることになった真城葵とともにストーリーを展開する。清隆の観察眼はホームズ張りである。
ただ、ミステリーはライトな感じで、殺人は起きない。日常の些末な出来事の解決はミステリーとしては物足りなさを感じた。鞍馬山荘遺品事件簿が唯一事件らしい作品であった。最後は茶番からの昼ドラ劇場で終わる。結局、楽しめたのは骨董品と京都の風情と恋心であった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
望月麻衣
- 感想投稿日 : 2022年8月9日
- 読了日 : 2022年8月9日
- 本棚登録日 : 2022年8月5日
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