犬は「びよ」と鳴いていた: 日本語は擬音語・擬態語が面白い (光文社新書 56)

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  • 光文社 (2002年8月20日発売)
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擬音語擬態語は6割近くが現代まで生き残っている。犬の鳴き声を「びよ」と聞くか「わん」と聞くか、は、単に聞く人の耳によるものではなく、野犬が多かった時代から飼い犬が多い時代へ、犬との付き合い方が変化し、そもそもの犬の鳴き声が穏やかなものに変化したもの。狐のこんこんくゎいくゎいも同様に、聞き方ではなく狐の声に2種類があったこと、などが私としては新しい視点で面白かった。あとは文学として、掛詞に多く取り入れられているのが面白い。柏木のねうねうだけでなく、ちちちとばかり鼠茸かな、や、つくづく憂し、など。日本の文学は洒落っ気に満ちている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年3月28日
読了日 : 2020年3月28日
本棚登録日 : 2020年3月28日

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