夜行

著者 :
  • 小学館 (2016年10月25日発売)
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感想 : 642
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不気味、不思議、と言うよりかはどこか幻想的な読後感。
これはホラーになるのかな。
「鞍馬の火祭」のあと、忽然と姿を消してしまった長谷川さん。
そのときの英会話スクールの仲間たちが、十年を経てまた集まった。
長谷川さんはどこへ消えたのか?
仲間たちがそれぞれの旅先で目にした「夜行」という銅版画と、そのときの奇妙な体験。
それらがこの失踪に大きく関係していたことがまるで百物語のように明かされていく。
第一夜から第四夜までは、背筋がぞくりとするようは純粋なホラーとして楽しめました。
最終夜はそこまでの世界がひっくりかわるような衝撃的展開。
「夜行」の世界と、「曙光」の世界。永遠の夜と、ただ一度きりの朝。
二つの世界がぐるぐるとめぐり、結局今どちらの世界にいるのか、生きているのか死んでいるのか、すっかりわからなくってしまうような怖さを感じました。
最後まで謎は解かれぬまま。
世界はつねに夜なのよ、という言葉にとても余韻をひかれました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(国内)
感想投稿日 : 2017年5月3日
読了日 : 2017年5月3日
本棚登録日 : 2017年5月3日

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