この世界のどこかにある、人々が想いと秘密を込めて綴った本だけが納本される不思議な図書館。
そこに住み込んで管理をするたった一人の図書館員を務める主人公は、とある夜に訪れた、完璧すぎる容姿を持て余す絶世の美女ヴァイダに出会い二人は瞬く間に恋に落ちる。
やがてヴァイダは妊娠するが、どうしても育てられないと判断し中絶することに。洞窟で蔵書の保管を担当するフォスターに相談して医師を紹介してもらい、手術のため数年ぶりに外の世界へ出て、メキシコへと赴くが……。
堕胎手術のための旅、という、一体どんな顔をしたらいいのか分からなくなってしまうようなあらすじ。
でも読んでる時も読み終わってからも、嫌悪感や悲壮感はなくて、なぜかこの世間知らずで若く愚かなカップルを微笑ましい思いで見守っている自分がいた。
空港でヴァイダがその美しさのせいで道ゆく人々を次々と混乱に招いていくシーンが面白かった。
でも「きっと何か大切なことが書かれているはず!!」という予感と期待はずっとあったのだけど、特にそういったものは見当たらないまま旅は、無事に(無事に?)終わっていた。なんとも言えないけど、それでも読了後もまだ気になり続ける一冊。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(海外)
- 感想投稿日 : 2021年10月4日
- 読了日 : 2021年9月28日
- 本棚登録日 : 2021年9月28日
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