主人公の鈴子に似た境遇を感じて、少し感情移入してしまった。
森山未来の「自分探しですか?」という問いに否定し、「自分が行動しなければ生きてけないですから。探さなくても自分はそこにいますから。」と嫌でも自分はついてくるというような趣旨の言葉が凄い突き刺さった。
最終的に弟の手紙から、自分は本音を隠し愛想笑いで人と関わるのを避けてきた、自分は逃げていたと認めるところがぐっときた。「人は出逢うために別れる」と。別れるのが怖い、傷つくのが怖い、面倒くさがってたと。次は逃げないと決意を新たにする場面。
逃げてんのかなー。どうなんでしょう。自分のしたことから逃げていたのかな鈴子は。次はと言っているが、次はそこに定住するのだろうか。といつつもまた転々としそうな予感もした。
自分の行動と向き合うというのは、とても大変だ。矛盾だらけの世の中を小さいリアルで描いていたし、見るからに幸薄そうな主人公を自然体に演じていた蒼井優の演技にグット!
世の中そんなに上手くいかない。不器用な人らの、でもささやかな優しさが散りばめられていてなんだか切なくもほっこりする作品でした。
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- 感想投稿日 : 2020年10月17日
- 読了日 : 2020年10月17日
- 本棚登録日 : 2020年10月17日
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