びりっかすの神さま (新・子どもの文学)

著者 :
  • 偕成社 (1988年11月1日発売)
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本棚登録 : 512
感想 : 55
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だれだってビリになんてなりたくない。みじめで悲しいもの。でも、かんばれば1番になれるかというと。それもちがう。世の中できる子だけが評価される。
 人に負けないように走り続けたお父さんは死ぬ前に「がんばれ」という言葉をのこす。それに対して「人に勝つことが「がんばる」ということことだったら、「がんばってほしくない」というお母さんの言葉が印象的だ。
 このお話では、ビリの子だけが見える不思議な神様が登場する。神さまと頭の中で会話もできる。クラスでビリの子と、そんな秘密を共有するなかで、いつしかみんながビリをめざすようになる。
 主人公は最後に1番になるためにがんばるのではなく本気で走ることの大切さに気づく。
 競争社会のなかで失われるのが自己肯定感。ひとりひとりが目標をもって主体的に取り組むことで得られる満足感をもっと大事にしたいと思った。
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年10月14日
読了日 : 2023年10月14日
本棚登録日 : 2023年10月14日

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