デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか (PHPビジネス新書)

著者 :
  • PHP研究所 (2023年11月16日発売)
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【この本を読んだきっかけ】
ブクログでおすすめの本を見ていて面白そうだと感じた。自分は何事も、量をやって解決してきた人間で「4時に帰って成果を出す」というタイトルを見た時に、そんなことできたら幸せだろうと思い読んでみた。

【印象に残っていること】
◆自分との考え方の違い
①ワークライフバランスに関して
デンマーク人の考える「ワークライフバランス」とは、「ライフ」を充実させるために「ワーク」があり、トレードオフになってはいけないという考え方である。デンマーク人誰もが自分と他の人のプライベートを尊重し、大切にしている。

→ 自分自身の目標の中で、「人生どこの時間を切り取っても充実していたい」と考える中で、仕事とプライベートを切り分けて考えていることに気がついた。この本で問いかけられた「大切にしたいもの」や、「人生において、誰とどんな時間を過ごしている時が幸せか」そこをベースに「なぜ働くか」について考えたいと思った。

②子育ても仕事も「権利」という考え方
仕事は男性にとってしなければならない義務という感覚、まだ家事や育児は女性にとっての義務という考えがある日本に対して、デンマークでは両方が権利だと考えている。
だからこそお互いが対等で、仕事も家事育児も「夫婦の共同プロジェクト」と捉えている。

→今働いている会社では、管理職の方も子育てができるような制度や風土があると感じている。それでもどこか、仕事も子育ても「権利」という感覚ではなく、義務の中の優先度が子育てにあると感じた。
社会とか、組織とか大きな単位でこの考え方を持つことは難しいかもしれないが、個人としてはあくまで人生を豊かにするための手段、権利であることを忘れないようにしたい。

◆生産性を上げるためにやれそうなこと
①プライベートを大切にするという「覚悟」を決めること。
主に家庭を持った人の例として書かれていたが、デンマーク人は4時に帰って家族との時間を大切にするという覚悟がある人がほとんどである。逆に、仕事でプライベートを犠牲にしているとパートナーに別れを切り出されてしまう。「4時に帰って家族との時間を大切にする」と決めることで、勤務の時間の生産性を上げる。
もしその時間に終わらなければ、夜のフリータイムに片付けるそうだ。

→ プライベートを大切にする覚悟を持つことは、大変だと思う。よく自分が仕事をする中で、この作業は「18時以降にしよう」と後回しにすることがある。その思考になった瞬間、「18時までにどう終わらせるか」という生産性の考えはなくなる。
日本社会で16時に退社することは現実的ではないが、少なくとも自分が家庭を持った時には、「家族揃って夜ご飯を食べよう」と覚悟を決めて仕事をしたいと思った。

②ミーティングの参加、時間を再検討
デンマークでは30分の会議を25分に、1時間の会議を50分に設定する。そうすることでより参加者全員が、時間に対して意識を向ける。5分10分のゆとりを産むことで、次の会議のアジェンダに目を通したり一息つく瞬間を産む。
またミーティングの参加者に関しても、デンマークと日本の違いはある。ミーティングは議論の場であるので、共有だけのミーティングはしない。アジェンダを見て、自分が参加する必要があるかは考え、なければ退出する。それを周りも当たり前と考えている。

→ミーティングに関しては、実務で改善できることがあると感じた。当たり前のように時間が決まっているミーティングや、本当に参加者全員が議論をするのかというミーティングは存在するように思う。本当にこの時間必要なのか?や、議論と共有を分けるなど、発信できるところから発信したい。

◆デンマーク人の信頼によるマネジメントに関して
①常にGOサイン
マネジメントで大事にしていることは、常にGoサインを出すこと。部下が自分に許可を求めるより、自分が部下の失敗を許可する。失敗をすれば判断の背景を聞き、なぜ失敗したかを振り返る。そうすることで部下が育つ。

→マネジメントに関しては「信頼」で成り立っている。ビジョナリーカンパニーで、何をするかではなく、誰とするか、ほんとうに信頼できる人間を採用できていれば何をするかは重要でないという旨があったがこれに似ていると感じた。

② メソッドフリーに関して
メソッドフリーとは、目的が達成されれば、手段はなんでもいいという考え方である。この考えを聞いて、「自由に仕事ができて嬉しい」と捉えるか、「マニュアルがないと仕事が難しい」と考えるか。自分自身は前者:後者=3:7の感覚だった。

→目的に納得感があり、手段が明確であるとおもいっきり走れることは強みである一方で、誰にでもできることだと感じた。手段を思考する力が足りない。
日本人はマニュアルがないと難しいと考えがちで、その根底は教育と書かれていた。自分もそのうちの1人で、知識のインプットで正解のあることに固執した量の努力をしてきたからこそこうなっている。
目的だけ決めて手段を考えることはトレーニングする。

【全体の感想】
自分にとってはためになる本だった。
特に、大切にしたいものは何で、なんのために働くのか?と問いかけられた時はっとした。
感想にかけてはいないが、生産性を上げるための細かい意識や考え方も書かれており、1つでも実践したいと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月3日
読了日 : 2024年3月3日
本棚登録日 : 2024年2月7日

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