主人公の迫水は、10年務めた不動産会社をリストラされ、そのうえ愛する妻に逃げられるという始末。
身に覚えがありすぎて、何が原因で逃げられたのかもわからない。
とことんダメな男であるが、妻を愛する気持ちだけは本物で、妻を見つけ出すためなら暴力団に脅されようとも、警察を出し抜こうとも、後悔はしない。
しかし、決して悲壮感漂わないのが、迫水の迫水たる所以。
本人は真面目なのだろうけれど、どこかとぼけたおかしみが、笑いを誘う。
そして、小さな小さな手がかりを情報交換することによって、少しずつ妻に近付いていくのだとしたら、これは現在のわらしべ長者のようだな。
そんなのんびりした気持ちで愉快に読んでいたら、突然の大転換。
好きだからこそ知られたくない秘密。
それがこんな悲劇を引き起こすことになるとは。
これ、ドッキリじゃないかな?迫水がみんなに引っかけられたんじゃないかな?と、祈るように読んだけど、現実だった。
このあと、迫水はどうなっちゃうんだろう?
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年7月14日
- 読了日 : 2017年7月14日
- 本棚登録日 : 2017年7月14日
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