天文学者が夢見た、地球外知的生命とのコンタクトは、確かに壮大で、そして実にリアルである。
専門家としての知識のリアルだけではなく、例えばアメリカで作成されていた(マシーン)の爆発事故の後、国内で(マシーン)を作るリスクを考えたアメリカとソ連の駆け引きを受けて、日本が北海道の十勝平野でそれを作ることになる。
今ならこの位置に中国が来るのだろうけれど、当時は日本という選択はありだったと思う。
そして、被害を最小に抑えようと思うと、そりゃあ本州と地続きじゃない北海道が選ばれるよ。
いざとなったら立ち入り禁止にしやすいもの。
そのくらいカール・セーガンは世界各国の地形や文化や歴史などを作品の中に盛り込んで、リアリティを追求していったのだけど、それは科学者としては正しいのかもしれないけれど、小説としては冗漫な気がしました。
そして回収されない伏線の数々。
たった一人で宇宙へ出ていった彼は、その後どうなるのか?
どうにもならないなら、なぜこの作品に出てくる必然性があったのか。
面白いテーマなんだけど、なんだかこなれていない感じ。のど越しが悪い。
時に生焼けな部分もあったりして、惜しいなあ。
上手に料理できる人に書いてもらったら、もっといい作品になったと思うのですが。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年5月30日
- 読了日 : 2019年5月30日
- 本棚登録日 : 2019年5月30日
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