24人の画家とその作品のもつ物語やイメージなどを、彼女らしい、詩的でありながら的確な言葉で綴ったエッセイ。
学生の頃は友だちと結構美術館へ行ったものだけど、最近は年に一度行くか行かないか。
特に絵画に詳しいということもない私でも知っているような有名な画家から、初めて知った画家まで、1冊まとめて読むと確かに江國香織セレクションだなあと納得。
ドラクロワの「FLOWER STUDIES」
ムンクの「お伽の森の子供たち」
この画家が、こんな可愛らしい絵を描くの!?
表紙の絵は、小島虎次郎「睡れる幼きモデル」
自分の目でみる。自分の目でちゃんとみる。
そんなことを、この画家は言ったそうだ。
カーテンの生地の厚み、椅子の手触り、少女の髪の軽やかさ、ワンピースの柔かさ。
その一つ一つに、江國香織の“favorite”を感じるのである。
窓のある部屋の絵が多いのも、そう。
好きなものを傍に置いて眺める至福の時間。
好きなものに出会えた時の震えるような喜び。
江國香織のそんなものが溢れている一冊。
ゆっくりと味わいました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年5月12日
- 読了日 : 2015年5月12日
- 本棚登録日 : 2015年5月12日
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