老人ホームでの100歳の誕生パーティーの日、アラン・カールソンは窓から逃げだした。
行き当たりばったり、なるようになるさの逃走劇。
行方不明者として警察に追われ(失踪?誘拐?最終的には殺人容疑)、ひょんなことからギャングの大金を奪ってしまったので、ギャング団にも追われることになる。
ピンピンしているとはいえ100歳なので、走って逃げるどころか大金入りのトランクをひきずってよちよち歩き、休養だって十分とらなければならない。
そして何より、酒がある限りそこを立ち去ることなんてできないのである。
そんなアランがどうして警察にもギャングにも捕まらないのか。
それは、人生はなるようになるからさ。
匿ってくれた人を次々仲間に加えながら、のんびりと逃亡を続けるアラン達一行。
それに挟まるように書かれる、アランの一生。
父が不在のアラン家では、生活のためにアランも子どものころからニトログリセリン会社で働いていた。
そこで得た爆薬の知識が、後のアランの人生を助けるのだが。
世界中の紛争の裏に、アランの爆薬の知識がある。
フランコ将軍を助けたり、原爆の実用化に一役買ったり、毛沢東の妻を助けたり、スターリンの逆鱗に触れて収容所暮しをしたり、金正日を泣かせたり。
アランは100歳。
つまり一世紀生きているわけで、つくづく20世紀と言うのは世界中で戦争があった時代だったのだな。
で、感想だけど、すごく評判の良かったこの作品、私は楽しめませんでした。
歴史上の人物ではない人たちが何人か、不幸にも命を落としてしまいます。
しかしそれに対して、あまりにもあっけらかんとしすぎているのが、どうしても納得いかなかった。
最初に「それ、笑えないよ」って思っちゃったから、最後までのれなかったのだと思います。
笑って読み流すべき行き当たりばったりを、眉間にしわ寄せて読んじゃった。
残念。
- 感想投稿日 : 2021年2月7日
- 読了日 : 2021年2月7日
- 本棚登録日 : 2021年2月7日
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