クヌルプ (新潮文庫)

  • 新潮社 (1955年4月1日発売)
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本棚登録 : 760
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学生時代に読んだ『車輪の下』以来のヘッセ。初恋で傷つきエリート街道から逸れて漂泊の人生を歩むようになったクヌルプについて描かれた3編からなる作品。自由に漂うことを楽しみ羨ましがられることもありつつ、無責任な孤独さをたしなめられたり自分自身でもどこか自分の人生を歩んでいないのではないかという他人事的な感覚もある歩み。そしてそんなクヌルプがその人生の歩みの最後の自身の人生をどのように総括するのか。時代背景や社会状況は異なってもクヌルプの傷つきやすさや感覚に共感する人は現代でも多いのでは。名作。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 【本】小説
感想投稿日 : 2023年12月10日
読了日 : 2023年10月7日
本棚登録日 : 2023年10月7日

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