神様のボート (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2002年6月28日発売)
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本棚登録 : 14493
感想 : 1432

『積木』の店長が家に来た時の母娘のやりとりが秀逸。ママが喜んでいない時の仕草が分かる娘。見抜かれていると気付いている母。2人の間にある強固な絆や愛情がよくわかる描写。

江國さんの小説は擬音で表すとパチパチキラキラみたいな感じ。なんてことのない物事を非日常のように、美しく描く。

自分は中高生で母にめちゃくちゃ反抗してたので草子の気持ちが痛いほど分かる。言った後にたくさん後悔したことも、後悔すると分かってても言わなきゃいけなかったことも、悲しい気持ちになることも色々思い出した。大学生になった私はだいぶ母親に優しくできるようになったなと思う。

草花とか海とか、そういうものに囲まれながら読みたくなる小説。

ラストの展開は葉子が自殺したということなのかな、、、。なんとも言えない喪失感。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年8月17日
読了日 : 2023年8月18日
本棚登録日 : 2023年8月17日

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