6つのミステリー作品が収録された単独短編集。
貫井徳郎3作品連読後、無性に米澤穂信を欲した。
理由は不明。迷わず本棚から引っ張り出した。
著者の作品は5作目だが、1番最初に購入した作品がこの満願だった。そう、読みたいと思える頃合いを待ち続けていたのだ。
素直に感想から述べたい。
今まで読んできた短編集の中でも、ズバ抜けてクオリティーが高く、最後の一文まで堪能した。
いや、最後の一文こそ、読後に大きな爪痕を残す重厚感があり、著者作のボトルネックを読んだ時の衝撃が甦った。
特に【関守】と『万灯』が善き。
本作で著者作品5作目。
今日今現在、米澤穂信作品で本作は私にとってはダントツの傑作だ。
ミステリーがお好きな方で、まだ本作品に触れていないのであれば是非ともお勧めしたい。
ただし、著者作品・古典部シリーズから入った方はご注意をば。
本作に青春のカケラもない。
あるのは苦い後味と、予想を上回る精神的ダメージである。
しかし、著者の言葉選びと発するタイミングは、震えるほど気味が悪くて、心地悪くて、気持ちが良い。
もはや次の読書作品は決まった。
いざ、出発進行。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年8月4日
- 読了日 : 2021年8月4日
- 本棚登録日 : 2020年8月1日
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