満願 (新潮文庫)

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著者 : 米澤穂信
  • 新潮社 (2017年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287843

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満願 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 短編集。
    表題作は最後の一作だが、
    ある意味全作満願と言えるストーリーだった。
    何かを成し遂げる決意をした人間の
    怖いくらいの気持ちが読了後に染みる。

  • 短編集なのにその一つ一つが濃い。

    最初の『夜警』を読み終えて,
    そのずっしりとした読み応えに続けて読むのは躊躇われたが,
    再び手に取ると今度は一気読み。
    もっと味わいながら読むべきだった。

    洗練された6つの短編。
    その中の『死人宿』『関守』が個人的に好きだった。

    読んでいるとき,

    ”お前が深淵を覗くとき、深淵もまたお前を覗いているのだ”
    ― ニーチェ

    のフレーズが頭をよぎった。
    日常の中の謎に一度囚われてしまうと,
    もうそれを見なかったことには出来ない。
    そして自分もその謎の一部となる。

    気付けばもう9月も終わり,
    今の季節感にぴったりの雰囲気を醸し出す本作。

    秋の夜長を過ごすお供としてぜひ。

  • 短編嫌いの私が★×5
    これは初めてのこと。

    全ての作品が★×5。素晴らしかった。

    何冊かこの作家さんの本は読んだことがあるはずなのに、
    ここまで心掴まれたのは初めてかもしれない。

    インシテミルは自分の好きな分野だった為好印象なのは当たり前だが、
    この作品は自分の得意分野というわけでもない。

    それなのに全ての作品に気持ちを集中できた。
    短時間で没頭して読了してしまった。

    凄い・・・
    絶対この作家さん、上手くなっている。。。
    短編でこんなに惹かれる作品に出会えたのは初めてのことで、
    自分自身とても驚いている。

    とても良い作品に出会えて幸せだ。。。
    これこそ読書の喜び(*^-^*)

  • 面白かったー。
    短編ミステリーなのだけれど、一編一遍の読み応えが短編ではない。
    どのお話も面白かったですが、「関守」が一番好きでした。
    読んでいくにしたがってザワザワしていくこの感じ。そしてこの終わり方。楽しかったです。
    「万灯」はまるで長編小説の様で、最後の展開にそうきたか。となり、「満願」は切なくも満願でした。
    どの話も展開が上手い。
    人の内面、考えている事は表面だけでは決して分からない。
    その人にしか分からない。
    人間は一人ひとり、自分と他人、全くの別物なのだと改めて気づかされた気がします。
    六回とも明かされる真実に戦慄。

  • 時々ミステリーを読んでいて
    どんな優れているトリックやオチがあっても
    (それまで語られてきた人物像)から
    オチやトリックが少しずれていて、
    たまに違和感を覚えることがあるんだけど、
    (そんな行動的か?とか、そんな派手か?とか、
    そんなジメジメしたか?とか)

    でもこの短編に登場する主人公たちは
    その人物像からしっかり想像できるんですよね。
    なぜ、そこに至ったのかが。
    執念深さ。姑息さ。自分勝手さ。使命感。
    それは、それぞれ違うんですけど、
    根雪のように積み重なった何かがあるから、
    心から震えるんでしょうね。

  • 賞を総ナメにして話題となった、ミステリー短編集。
    物語が進むにつれ、些細ではあるがどこか気味の悪さを孕んだ違和感が一つまた一つと積もっていく。最後の数頁でミステリーらしくその違和感は解消されるが、代わりに恐怖や戦慄が残される点ではホラーと言えるかもしれない。
    どの短編も素晴らしい出来栄え。

  • 解説でも書かれていたが、読後にざらりとした感触が残るミステリー短編集。人間の業を題材にした短編集。
    ホラーとは違う種類の怖さがある。

  • 最近話題の米澤さんの新刊短編集。評価は高かったけど、私は儚い羊たちの祝宴の方が好きです。
    遠回しに隠される書き方、なんか薄暗い文章、最後にひっくり返される恐怖…大人版「怖い話」のようだ。

  • 6つの短編はいずれも珠玉。余分な夾雑物は一切ない。読ませる力があり、短編でありながら、すべてに意想外の結末が用意されている。どんでんの予想はいつも綺麗にはずされた。みかけからは読み解くことができない人の裏側。隠された真実に背筋が凍った。人の世は良くも悪しくも自分の全く知らないところで日々動いていることを思い知らされる。

  • 落ちが見えてしまう短編もあったので、そこはきつかった。しかし、最初の短編と最後の短編は面白かった。
    最初の方は、立派に警察小説していて、短編にするのがもったいないくらい、交番勤務の気怠さや投げやりな雰囲気をリアルに表現していた。人間の小心さや小狡さがテーマになっており、その辺の書き方も自分の中の似たような部分を見ているように感じ、ドキドキした。
    最後の話も、弁護士が主人公ということで、興味深く読んだ。ただ、秘書さんが常についているようなブルジョワさんなのね。うらやま。多分時代設定は現在より少し早いと思う。

  • 文庫化を待った自分に敗北感を感じ、結局今更の読了
    もっと軽い文体の作者というイメージだったのだがよく考えてみればインシテミルなんだからそりゃそうかと、アニメの方に引きずられてしまった
    圧倒的な読みやすさなんだけど単に今の自分にはミステリーじゃなかったなと、時が満ちてなかった
    大変面白いのでそういう気分の人にはおすすめできる

  • 「儚い羊たちの沈黙」同様、ダークな世界観を持った短編集。「儚い…」のオチに痺れた読者なら本作も楽しめるでしょう。何れ劣らぬ6編ですが、中でも他と肌合いの異なる「万灯」が秀逸でした。

  • 6つの短編集
    全体を通して昭和な雰囲気が漂う印象
    ミステリーともホラーとも言える内容で
    読み始めると続きが気になって仕方なくなりました。

    夜警
    仕事に向いている向いていないという話の前に
    一人前の大人としてどうなのか?という問題
    自分の不始末は自分で責任をとりたい

    死人宿
    物語がどっちの方向に進んでいくのかがわからない感じがよかった
    需要と供給

    柘榴
    ダメンズ好きも遺伝するのか
    腹黒い女子

    万灯
    ビジネスマンの活躍する話かと思いきや
    一転

    関守
    途中から危ない!危ない!という気持ちになる

    満願
    6つの中で一番良かったと思った話
    絶対に譲れないものというか
    根っこにあるものというか、信条というか、
    DNAに刻まれたというか、
    そういうものは大事なことだと思う。

  • 短編集。オチは自分の中でストンと落ちるものもあれば、
    どこか後味の悪さが残る作品もありました。
    最近の「世にも奇妙な物語」のテイストに似ていると感じます。
    映像化できないことはないと思うので少し期待が膨らみます。
    ただ、もう一度読みたい作品かと言われるとそうではないです...。
    何でしょう...オチ前でハードルを上げている気がします。

    読みやすかったのでミステリー作品を初めて読む方にも
    オススメできる作品。

  • 米澤作品はこれが2作目で、2015年の「このミス」1位で評判がいいし、期待し過ぎたようです。私の好みでは全くありませんでした。イヤミスも物によっては好きなんですが、これはダメな部類でした。

  • 名前は知っていたけども、この作家さんの作品は初めて。

    好みかそうでないかと言ったら後者なのだけど、薄気味悪い後味の作品ばかりで、しかもどれもタイプが異なる短編集で、多才な人なんだなという印象。でも今後ほかの作品を読もうとまでは、、。ごめんなさい。

  • 読み終わるとゾワッとする短編ばかり。
    柘榴と満願は特にそう。

    ずしりとした読了感が個人的にとても好みだった

  • こういうのが読みたかった。
    久しぶりにゾクリとした。

  • 6つの短編からなるこの「満願」だが、そのバラエティにとんだストーリーは読み手を飽きさせない。ストーリーの軸として描かれる人間の感情、思い、欲望の歪さや不思議さ、そしてぞっとするほどの怖さに、開けてはいけないが、それでも禁忌を破って見てみたいといったようなアンタッチャブルな魅力を感じた。

  • 上質なミステリ。巧妙なトリックを暴いたり、複数の人物の中から犯人を見つけ出したり…という類の謎解きではなく、一見なんの矛盾もない出来事の裏側を、ふと覗いてしまった人たちの物語。あるいは、その裏側に絡め取られてしまった人たちの物語。「死人宿」「関守」「満願」がよかったです。岡本綺堂の怪談のような、ひっそりとした読後感。派手さはないので物足りない方もいるかもしれませんが、綺堂好きの方にはおすすめ。伏線の張り方も丁寧。星5つ。

  • 普段はあまりミステリーを読まないワタクシ、とあるレビューにそそられ、近所の本屋に在庫を確認し入手、即読了。
    全6編の短編で構成されており、数々のミステリー賞を受賞しただけあって、どの短編も意外な結末を迎えることになる。一見、素朴さ、真面目さの中にある強かさのようなものの表現が巧みで、素晴らしい。

  • とても読み応えがあって内容の濃い短編集でした。
    おおっ?これはもしかして、、と犯人やオチを推測できても文章がとても読ませるので、読み進めるのも楽しかったです。
    なんだかすごくしっかりした(かたい感じの)文章なので著者はそれなりに年齢のいった方なのかと思ったら、そんなにお年寄りじゃなかったのでびっくりしました!
    他の作品もぜひ読んでみたいです!
    この短編集の中では「関守」というのがすごく楽しめて怖くてよかったです^^

  • どうしても短編小説は話しの深さが少々物足らないと思ってはいるが、これはかなりレベルが高い作品群だ。
    6編の中は秀作とまあまあの作品はあるが、「これはちょっと、、、」と思われる作品はない。
    自分としては、「万灯」の最後の展開部分と「関守」のジワっとくる怖さが気に入っている。

  • 最後にヒヤリと残る物語が多い。
    短編集は長編よりも話に深みを出しにくい印象があり、もともとそれほど好きではないのですが、この本はどのストーリーも面白く読むことができました。
    一冊読み終えたとき、タイトルには納得。

  • 古い時代の哀切な空気がなんとも味わい深い
    日常の中に秘された数々の隠し事がささやかに、しめやかに明かされる短篇が六つ。
    昭和の本格派の味わいを継承するような米澤さんの手腕にうっとりと酔い痴れる。
    まるでこの時世まで語り継がれてきたような存在感のある新しい悲劇。

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満願 (新潮文庫)の作品紹介

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

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