満願 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2017年7月28日発売)
3.82
  • (712)
  • (1424)
  • (945)
  • (149)
  • (20)
本棚登録 : 13048
感想 : 1032
5

6篇の短編集
ジワジワと剣呑な空気が迫って来て、一気に不穏なラストへ引きずられました。誰の心にもありそうな隙間に、何かが入り込んで取れなくなり、行動をしてしまう。しかし、それは気味が悪く、ザラザラと後味が悪い。そんな感じでした。

「夜警」ミスをなんとかしたい気持ちは誰にでもありそうだけど。後輩の性格に気づいていても見て見ぬふりもありそうだけど。
「死人宿」確かに見ていた。が、気付けなかった。
「石榴」美しい母娘。父娘。姉妹。この先、どうなるのだろう。そして、最後の一言にゾッとする。
「万灯」仕事熱心すぎたことで、巻き込まれていく。そして、信じられないような状況で審判を待つ
「関守」それぞれの事故の話が、こんな形で繋がっているとは。
「満願」『酒に強いのも不幸だが、妻が立派なのは、なお悪い』殺人の動機にため息がでる。

それぞれの登場人物に満願があるように思いました。だだ、満願成就に至ったのは、、、。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Audible
感想投稿日 : 2023年12月9日
読了日 : 2023年12月9日
本棚登録日 : 2023年12月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする