銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2011年11月15日発売)
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感想 : 158
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森博嗣の長篇小説『銀河不動産の超越(英題:Transcendence of Ginga Estate Agency)』を読みました。
ここのところ、国内の作品が続いています。

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人気ミステリィ作家が放つ、どきどき×ラブコメ×青春小説!

気力と体力不足の高橋が、やっと職を得たのは下町の「銀河不動産」。
頑張らずに生きる――そんな省エネ青年を訪れる、奇妙な要望をもったお客たち。
彼らに物件を紹介するうちに、彼自身が不思議な家の住人となっていた……? 
「幸せを築こうとする努力」が奏でる、やさしくあたたかい森ミステリィ組曲。
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文藝春秋が発行する隔月刊の電子小説誌『別冊文藝春秋』に連載後、2008年(平成20年)に刊行された作品です。

 ■銀河不動産の超越
  Transcendence of Ginga Estate Agency
 ■銀河不動産の勉強
  Learning of Ginga Estate Agency
 ■銀河不動産の煩悩
  Desires of Ginga Estate Agency
 ■銀河不動産の危惧
  Misgiving of Ginga Estate Agency
 ■銀河不動産の忌避
  Avoidance of Ginga Estate Agency
 ■銀河不動産の柔軟
  Flexibility of Ginga Estate Agency
 ■銀河不動産の捕捉
  Acquisition of Ginga Estate Agency
 ■銀河不動産の羅針
  Compass of Ginga Estate Agency
 ■解説 遠山涼音

無気力・無関心・無感動── そんな僕の人生が変わる!!

毎日がなんとなく気怠い“省電力”青年・高橋は、惨敗続きの就職活動の果てに「ここだけはやめておけ」と言われた銀河不動産に入社した… 「いろいろ見せてもらううちに住みたい家が見えてくる」という曖昧な資産家夫人や、「寝ている間に日光浴したい」というミュージシャン、「スウィングしている部屋に住みたい」という芸術家等々に部屋を斡旋しているうちに、彼自身がとんでもない家に暮らす羽目に、、、

ついには運命の女性までが… 無気力青年・高橋はサラリーマン生活をまっとうできるのか? 極上のユーモア・エンターテインメント!

危険を避け、できるだけ頑張らずにすむ道を吟味し、最小の力で人生を歩んできた高橋青年に感情移入しながら読み進めました… 青春小説要素が強かったかな、、、

ミステリを期待して購入していたので、ちょっと肩透かしを食った感じでしたが… 銀河不動産を訪れる奇妙な要望を持った客や、「奇妙な館」に集まる不思議な人々との交流を経て、高橋青年が成長する姿が微笑ましく感じられて、いつの間にか自分がその館に住んでいるような気分に陥ってしまいましたね。

秋の夜長にピッタリの優しい気持ちになれる不思議な物語でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>大衆文学あれこれ
感想投稿日 : 2022年12月10日
読了日 : 2022年12月11日
本棚登録日 : 2022年12月10日

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