かがみの孤城

著者 :
  • ポプラ社 (2017年5月8日発売)
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2018年に史上最多得票数で本屋大賞を受賞した作品

主人公の中学一年生安西こころは、女子のトラブルに巻き込まれ、学校に行けなくなってしまいます。毎朝腹痛で学校に行けない毎日を送るこころは、5月のある日フリースクールに通うことにしますが、いざとなるとそこにも行けず、自己嫌悪に陥ります。そんな時、部屋の鏡が発光し、その中に吸い込まれると、童話の1シーンのようなお城にたどり着きます。一度は逃げ帰った心でしたが、惹かれるものがあり、毎日そこに通うことになります。
ドレスに狼の仮面をつけた幼児の「オオカミさま」によると、3月30日までに「鍵」を見つければ、一つだけ願いが叶うけれど全員がそこでの記憶はなくなり、願いを放棄すれば記憶は残るとのことです。中三で大人びた「アキ」、中一でサッカーの得意な「リオン」、中二でピアノの上手な「フウカ」、中二でゲーム通の「マサムネ」、中三で不思議な空気間の「スバル」、中一で食べるの大好き&恋多き「ウレシノ」と共に、それぞれが城での思い思いの時間を過ごしていきます。
11月のある日、アキが制服で城に現れたことで、リオンを除く全員が雪科第五中学校の生徒(リオンは通うはずだったがハワイの学校に留学中)だということが分かります。そんな中、親に転校を迫られたマサムネが、三学期の始業式に一日だけ登校することになり、皆もその日に合わせて登校しますが、なぜか全員会うことができませんでした。自分たちはパラレルワールドの住人なのか、現実世界では会うことができないのか、悩む彼らですが、いよいよ翌日が閉城日のある日、大事件が起こります…

最後は息をつく間もなく読み切りました。オオカミ様、リオン、そしてアキとの関係が、希望と共に解き明かされていきます。何度でも読みたい、素晴らしい物語でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年6月23日
読了日 : 2023年6月23日
本棚登録日 : 2023年6月23日

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