知と愛 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1959年6月9日発売)
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感想 : 89
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原題は『ナルチスとゴルトムント』。知と精神の世界に生きる師ナルチストと、愛と芸術の世界に生きるゴルトムントを描く。ゴルトムントは修道院に入って神に帰依するはずだったが、ナルチスの影響により、愛や芸術の世界に目覚め放浪の旅に出る。清く正しい世界を目指した者が愛欲に溺れ廃退していく姿に、正直戸惑いはあった。しかし、自らの意のままに強欲に生きる姿に不思議と羨望も感じる。人生とはなんなのか、人間の本来あるべき姿とはなんなのか、そのようなことをゴルトムントの姿に重ねながらじっくり味わえた作品である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月25日
読了日 : 2021年11月25日
本棚登録日 : 2021年11月25日

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