カズオ・イシグロの長編デビュー作。過去の傷を癒しながら未来に向けて再起を図る、2つの家族を描いた作品。戦後の長崎が舞台で、登場人物は日本人が中心となっている。やはりカズオ・イシグロの作品は、色のないモノクロの映像しか思い浮べることができない。土地やキャラクターなどの設定濃度が低いからだろう。またこの物語では、登場人物は比較的多いが、どの会話も淡々と流れていく。最終的に大きな見せ場があるわけではないので、刺激も少ない方だろう。そのため、じっくり噛みしめながら味わう作品なのかもしれない。
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- 感想投稿日 : 2021年9月19日
- 読了日 : 2021年9月19日
- 本棚登録日 : 2021年9月19日
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