ニュースで小澤征爾さんの訃報を知り再読。
ブザンソンの川で美人がビキニを着ていたから対抗して裸になったり、愛嬌があってとにかくお茶目な人だったんだろうなと思う。
この1冊だけでも小澤征爾さんはほんとに多くの人に愛されていたということが伝わった。
24歳で1人で世界に渡り、不安も大きかったろうに手紙には離れていてもこまやかな家族への気づかいが書かれていたのが素敵。
作中には「僕は幸せだ」ということが繰り返し書かれている。
周りの人や環境、この時代に世界を旅出来るということを考えれば誰もが当然のようにそのことを幸せだと思うだろうけど、それを時間が経っても世界のどんな場所にいようと忘れず常日頃感じることは誰もが当たり前にできることでは無いと思った。
この本は小澤征爾さんが音楽家として駆け出しの時に書かれた本であるから他の人が彼と同じ環境を味わって書いたのならもっと音楽に対するもがきや葛藤が描かれていたと思う。
けどこの本にそういった描写が無いのは小澤征爾さん自身がずっと音楽を心から楽しんでいたからじゃないかと思う。
さらば、ヨーロッパの章に書かれている内容から伺える通り、小澤征爾さんが音楽にひたむきに情熱を注いで、純粋な姿勢で音楽に向き合っている様が感じられて読んでいて清々しかった。
いい音楽を精いっぱい作りたいということ、たったそれだけを願い、音楽家としての多くの名誉や富を求めずただまっすぐに音楽に向き合った彼は本当に素晴らしい音楽家だったのだと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年3月29日
- 読了日 : 2024年3月29日
- 本棚登録日 : 2024年3月26日
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