うしろ (角川ホラー文庫 125-1)

著者 :
  • 角川書店 (2007年3月1日発売)
2.73
  • (1)
  • (4)
  • (16)
  • (9)
  • (3)
本棚登録 : 84
感想 : 10

初めて読む気がします、この作家様。
「気がする」理由は、単純に他の作品に記憶がないからです。笑
ちなみに角川ホラー初進出な方です。


簡単な粗筋。
うしろに感じる気配、視線、存在。
それがそのマンションの住人たち共通の恐怖だった。
皆の「うしろ」にあるモノは――。


多少のネタバレを含みますので、気になる方は気を付けてください。


タイトル通り「うしろ」がキーワード。
一番分かりやすい恐怖の表現ですが、個人的にその考え方は面白かったです。

人の「うしろ」は回り続ける。
振り返ればその「うしろ」へ、またそちらを向けば再びその「うしろ」へ回る。
どう足掻いても人間から「うしろ」がなくなることはないんですよ。
一言で「うしろ」といっても単純に「背後」なわけではないというのは、純粋に感心してしまいました。


ストーリーは典型的な日本ホラーです。
何かと言われれば『呪怨』っぽい展開でした。
隙はそこまで見られないが、特に印象に残るというわけではないのが難点か。笑
「うしろ」の着目点が面白かっただけに、少し悔しい思いをした気がします。

つまらないわけではない。
むしろ終わり方には爽快感もあったんですよ。いろんな意味で。笑
よくあるパターンというか、ねぇ。


「ジャパニーズホラー」を読みたいという人にはオススメですね。
途中から主人公が韓国人になりますが。笑

個人的には結構好きだったので、次回作もしくは既刊の作品に期待したいですね。



余談ですが。
この作者様、名前だけはなぜか記憶にあったんですよね。
でも過去の作品は読んだ覚えもない。
どうしてだろうと調べてみたら分かりましたよ。

ホラー大賞の最終選考に残ってたことがあったみたいです。
しかも第二回(初の大賞が出た回)。

……一時期ホラー大賞マニアだったからな。笑

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 角川ホラー文庫
感想投稿日 : 2010年6月18日
読了日 : 2010年6月18日
本棚登録日 : 2010年6月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする