『議論は知の格闘技だ。』と作中でも記されている。
タイトルにある喧嘩とは、自身の直感から生み出された示唆を相手にぶつける際の実践的テクニックの総括だ。
フェミニスト(社会学を学ぶ人々)は、学ぶことで積み上げてきた無数の引き出しの中から言葉を選び言語化する。
そこで私たちは学術的な裏付けのある概念や枠組みをもって言説の強度を補強しようとする。だがしかし、それは初学者が陥る最初の落とし穴だ。
正しさで人は動かない。
怒りだけでは人は聞かない。
悲しさだけで真の理解を得ることはできない。
不条理で不平等な世の中がまかり通っていることを知り、初めて私たちは戦う姿勢をとれる。知識そのものは私たちを助けないし、幸せにもしない。なら、知った先でどうするか?
『救える人は、救われる準備のある人だけだ。』という言葉が好きだ。
私は私自身を救うために、今日も知を集積したい。
とても素晴らしい書籍でした。遥洋子さんがこのエッセイを書いてから20年。あなたのおかげで、20年先の若者が指針を得られたことをここに残したいです。ありがとうございました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年5月2日
- 読了日 : 2021年5月2日
- 本棚登録日 : 2021年5月2日
みんなの感想をみる