伊岡瞬『代償』角川文庫。
評判を耳にし、読んでみた。しかも、初読みの作家。面白い。これまで読んでいなかったことが悔しいくらいの面白さだった。
第一部に描かれた多感な時期に主人公の圭輔を襲った悲劇。圭輔が行動を共にする達也への疑念。そして第二部に描かれる達也の悪魔のような本性と弁護士となった圭輔の正義のための闘い…
善と悪の対決。不謹慎ながら、悪が徹底的に悪として描かれれば、描かれるほど物語の面白さは増すようだ。気付けば、まるで自分が悪に魅入られてしまったのではないかと錯覚するほど、物語の中にどっぷり浸かっていた。
平凡な家庭に育った小学生の圭輔は突然、両親を失い、遠縁の達也と暮らすことになる。達也の継母の道子に身ぐるみを剥がされ、悲惨な人生を歩む圭輔は、長じて弁護士となる。ある日、弁護士となった圭輔に強盗殺人容疑で逮捕された達也から弁護を依頼される…
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2017年11月14日
- 読了日 : 2017年11月14日
- 本棚登録日 : 2017年11月13日
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