光降る丘 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年5月25日発売)
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本棚登録 : 53
感想 : 7
5

2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震で大きな被害を受けた栗原市耕英地区を舞台にした祖父と父親と息子の三世代を描いた物語。

岩手・宮城内陸地震の翌年から東日本大震災を挟んで連載された物語は、多くの被災者に希望の光と生きることへの勇気を与えてくれる内容だった。直下型の地震に見舞われ、苦闘する父親と息子の現在と、祖父の開拓民としての苦難に満ちた過去が交互に描かれる。

開拓移民団として満州に渡った大友耕一は苦難の中、日本に引き揚げ、栗原市の共英地区に新たな開拓の地を求めるが…

ここからは蛇足。

あの日は土曜日だった。下から突き上げるような大きな地震にベッドから飛び起きたのを覚えている。自分の被害の大きかった栗駒山から離れていたので停電にはならなかったが、新幹線が止まり、高架橋から乗客が避難するのを目撃した。次第に明らかになる地震被害の大きさ、馴染みのある厳美渓から栗駒山に向かう道路の橋が落橋した姿に驚いた。その3年後にまさかあのような東日本大震災が起きるとは全く思っていなかったのだが、岩手・宮城内陸地震をきっかけに水や食糧などを家に備蓄したことを覚えている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本
感想投稿日 : 2016年5月27日
読了日 : 2016年5月27日
本棚登録日 : 2016年5月25日

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