ことぶきジローさんの感想・レビュー

街を歩けば謎に当たる: 日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家アンソロジー2 (光文社文庫 こ 1-20)

著者 : 前川裕 両角長彦 海野碧 川中大樹 石川渓月

制作 : 光文社文庫編集部 

• 光文社 (2019年3月12日発売)

光文社文庫編集部・編『街を歩けば謎に当たる 日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家アンソロジー2』光文社文庫。

日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家によるアンソロジー第2弾。文庫書き下ろし。好きな作家の短編が何作か収録されているこの第2弾のみを購入。海野碧、両角長彦、石川渓月、川中大樹、前川裕の5名の作家が『街』をテーマに競作。

海野碧、前川裕の作品が群を抜いて面白かった。

海野碧『向こう岸の家』。珍しく海野碧が女性視点で描いたミステリー。じっくり描かれるストーリーと丁寧な文章は読み応えがある。夫と別居中のアラフォー女性が娘と共に地方都市に暮らす母親の家に移り住む。幼い頃に母親と何度か訪れた『向こう岸の家』……あの記憶は何だったのか。

両角長彦『あいつのいそうな店 新宿ゴールデン街200』。魔窟新宿ゴールデン街を舞台にしたミステリー。恐ろしい結末。女性は恐い。

石川渓月『弁慶は見ていた』。この作家の作品は何作か読んだが、いずれもイマイチ。本作もまた。

川中大樹『ファミリー、そこでヤマトだまし』。タイトルが全て。期待していたほどではなかった。

前川裕『僕の自慢の親友』。前川裕らしい作品。エリートが犯した無軌道無慈悲な殺人は何が理由なのか……

感想投稿日 : 2019年3月21日

読了日 : 2019年3月21日

本棚登録日 : 2019年3月20日