葉真中顕『凍てつく太陽』幻冬舎文庫。
以前から気になっていて、文庫化されるのを待っていた作品。
アイヌという日本のマイノリティを一つのテーマに、アイヌの血を受け継ぎながら日本人よりも日本人らしく生きようとした主人公・日崎八尋の過酷な運命が描かれる。室蘭市に隠された3つ目の太陽の正体は何か、カンナカムイの秘密を握る陸軍関係者の連続殺人事件の犯人は誰か、といったミステリー要素もあり、非常に読み応えのある長編小説だった。
時代は終戦間際の昭和20年。序章に描かれたエピソードだけでも十分に読み応えがあった。アイヌ人の母親を持つ特高刑事の日崎八尋は室蘭市の飯場に人夫として潜入し、飯場からの脱走事件の真相を突き止めるのだ。
本編に入ると、八尋が潜入した飯場に関係する陸軍少佐の金田と飯場の棒頭の伊藤が何者かに刺殺され、八尋は『拷問王』の異名を持つ先輩刑事の三影らと共に犯人の捜査にあたる。その後、刺殺事件は連続殺人の様相を示すが、八尋は三影と三影を操る陸軍の憲兵らにより嵌められ、事件の犯人に仕立てあげられる……
網走刑務所に収監された八尋を待ち受けていたのはさらなる過酷な運命だった……
一連の事件の意外な真相と結末……
本体価格930円
★★★★★
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2020年8月9日
- 読了日 : 2020年8月9日
- 本棚登録日 : 2020年8月8日
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コメント 7件
りまのさんのコメント
2020/08/09
ことぶきジローさんのコメント
2020/08/09
りまのさんのコメント
2020/08/09
りまのさんのコメント
2020/08/10
りまのさんのコメント
2020/08/10
ことぶきジローさんのコメント
2020/08/10
りまのさんのコメント
2020/08/10