痴人の愛 (中公文庫 た 30-52)

著者 :
  • 中央公論新社 (2006年10月25日発売)
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感想 : 66
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中盤までは、なんだか話が
中々進まない感じで、退屈と思ったり、
ナオミがエラそうでやな感じに育ってて、
少々読むのが苦痛だった。

最近、倍速視聴の是非が
話題になってたりするけど、
私もどこかせっかちになってるのか、
読み飛ばしたい気分だった。

鎌倉で過ごす辺りから、
急に話が転回して、
面白くなってきたけど…。

譲治は、ナオミに散々に騙されていたことが
明るみになって、ナオミを追い出し、別れたのに、
一時間くらいで後悔の念が湧いてくるとは…。
ちょっと呆れた。

結局は、ナオミの誘惑に負けて、
堕落した生活に突入。

目も当てられない。

私に息子はいないけど、いたとしたら、
こうはなってほしくない。(急に母目線)

何も知らずに亡くなったお母さん、
知らなくてよかったのかも。

ところで、山田詠美の「賢者の愛」を読んで、
興味が湧いて「痴人の愛」を読んだのだけど、
ナオミの奔放な感じは、百合と重なり、
ナオミにすっかり骨抜きにされてる譲治は直巳、
譲治を骨抜きにしていくナオミが真由子と重なった。

途中、しょうもないなと思ったりもしたけど、
面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年9月30日
読了日 : 2022年9月30日
本棚登録日 : 2022年9月28日

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