殺戮にいたる病 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1996年11月14日発売)
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本棚登録 : 8916
感想 : 1263
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 これが俺の愛の形だ。と信じて疑わなかったものが形として残らなかった時、いつまでも手元に残るようにしておきたい、いつでもすぐ感じられるようにしていたい、最高潮の状態を。もっともっと…欲望に歯止めが効かなくなって、女性を連続殺人していく話。
 犯人の犯行だけを描いた話ならあんまり引っかからなかったかもしれないけれど、犯人の家族がうまく絡んできていて一緒にドキドキした。面白さに加速度をつけていたと思う。

 過激な描写が多いと知っていたので敬遠していたけど、書き出しと導入部を読んで続きが気になって驚くほど一気読みした。途中気分が悪くなるところもあるのだけど、最後に「えっっっ⁈」と声が出て、頭に????を抱えながら解説を読み、もう一度惹きつけられた冒頭の導入部を読んで、鳥肌が立った。

 騙されました。怖くて、気持ち悪いけど面白かった。まさに「殺戮にいたる病」を垣間見た。
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月28日
読了日 : 2022年5月27日
本棚登録日 : 2022年5月27日

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