されど罪人は竜と踊る 1 ~Dances with the Dragons~ (ガガガ文庫 あ 2-1)
- 小学館 (2008年5月21日発売)
まぁもちろん、ラノベなのでね。軽いのアタリマエ。でも、にしても、本当に中身がないなー。
アマゾンの紹介にあおられすぎたか?
「最後のライトノベルの概念を変えた“暗黒ライトノベルの始祖にして最終作”の名を欲しいままにする「されど罪人は竜と踊る」シリーズ第1巻が、大幅加筆され完全真説版となって、ここに新生!! 」とまでいわれちゃーねー。
そもそもラノベってなんだろう?と、定義を紐解くと、諸説あるものの基本、中高生向けに書かれた娯楽小説で文庫本の体裁(安い)。また、表紙などに萌え系のビジュアルが用いられるなど、ビジュアルとの連携が念頭にある作品が多いようです。実際、このガガガ文庫のラノベ原作募集要項には、ビジュアライズを念頭においた作品が募集されていました。
ついでにあたしが思うに、もうひとつ、おっきな特徴がありそうな。
ラノベルール:感覚優先。
すなわち中2病じゃないけど、無駄に過剰な漢字を利用した一見絢爛豪華な爵位だとか家名だとか職種、この作品においては主人公が剣士なので、ものっそいゴージャスな名前の装備や技名が出てきます。ただし悲しいくらいにそこに深みはないです。
構築された世界観をつなぐために仮想のツールを創り上げ、それを綺羅星のような言葉で造りこむのが必然で順番なんだろうけどこの世界は、まず感覚でビジュアルありき。で、その見てくれを整えるためにのみ、言葉で盛り盛りにしている感じ。うーん、学芸会の張りぼてみたいな感じだろうか。
そこに有機的な必然性はなく、ただ目くらましのようにきらきらさせたいだけだから感覚的な単語が並び、それぞれはほぼ疎結合。へたすりゃサイロみたいに並んでいるだけ。
だから、時間的な流れから生じる結合はありうるものの、個々の事象同士の周辺事情が他に影響を及ぼし、それが化学反応を起こすような段階的な結合はそこには見られない。
・・・でも、そう書きながら、じゃ、他の作品はどうだろう?と考えると、割りにこの世界観、ラノベだけじゃないのかも。何もないような日常の積み上げにドラマが生まれる、誰にでも起こりうる事象を文章表現だけで美しく仕立てる、そんな職人技ではなくて、あんがい大雑把に設定同士がぶつかって、事件が起こるみたいな。
いわく、主人公には謎めいた死を遂げた大事な人がいて、妙にそこだけ繊細だったりとか。
いわく、主人公の周りには明るいながらも陰のある知人・友人・同僚などがいて、そこから事件が起こったりだとか。
ね、これみても、ラノベじゃなくてもよく見る設定でしょ?H野作品とかO田作品、I坂作品にだって、たくさんたくさん。ま、彼らの作品とラノベとの大幅な違いは、主人公がもっと深みがある点。つまりは人生経験が尊ばれ、必ずしも若くなくてもいい点だろう。あ、これもだ。
ラノベルール:主人公は傷つきやすい少年少女
そうか~。
なんとなく自分なりにラノベ分析が出来て一安心。
・・・あれ、趣旨変わったぞ。
えっとー。
作品の感想?
・・・若いねこれ。
・・・あれ?
いやだってこれ、ブックサイトで勧められたんだもん。しかも2巻を。だからいいんだもん1巻はその準備運動で。かるーくながそうぜ。
・・・てなわけで、2巻へGO!
その方によれば2巻は、
「この作品の2巻を読んで
(5巻はもっと凄いらしいのですが…)
熱を出して寝こみました
後にも先にも本を読んで
そんな風になったことは
この作品以外ではありません」
やっほい。楽しみ。しっかり読むもーん!
- 感想投稿日 : 2013年3月15日
- 読了日 : 2013年3月15日
- 本棚登録日 : 2013年3月15日
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