読書について (光文社古典新訳文庫 Bシ 1-1)

  • 光文社 (2013年5月14日発売)
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感想 : 158
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自分の頭で考える、著述と文体について、読書のついての三編。


本を読み知識を入れるよりも自分の頭で考えたことのほうが遥かに価値がある。自分の体験から引き出さずに、他人の経験でしか語れないというのは旅行案内書をながめて、その土地にくわしくなったようなもの。雑多な情報はあるが、曖昧な知識。一方考えることに費やした人は語るポイントを得ている。


新作の本≠正しく、最新の情報が手に入る。
これらは一時騒がれても、数年後には消えていることが多い。
古典を馬鹿にする人は多いが、これこそ読むべきもの。古典の解説書があるが、それは間違いであり、原書をあたるべき。

本には種類があり、考えたことをまとめた本と書くために行きあたりばったりに書いた本。
後者は金を得るためだけに書いているため、根拠のない、ピント外れの、抽象的なことが書いてある点から判断できる。それに気付いたら本は処分すること。

良書=具体的で簡潔な表現がなされており腑に落ちやすい
悪書≠抽象的で難しい表現がなされており腑に落ちにくい

良書は二度読むと頭に入りやすい

<感想>
書を読むときは絶対に古典をあたれ。
原典を読むのは間違えではないと思うものの、私は最初に読む必要はないと思う。解説書か読むと解釈の違いによってバイアスがかかる恐れはある。そうではあるものの、本作のように原書が自身が精通していない外国語である場合にはそこから学びようやく読むことができる。そこまで興味が途切れなければ良いが、よっぽど気になることでない限りはそうはならないだろう。だから、解説書を数冊読み、原典に辿り着くことはあって良いと思う。

本書を読むまでは現代とは文体が違うため、読みにくく避けていたものの、その考えが浅はかということを多少感じさせられた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年10月25日
読了日 : 2017年10月25日
本棚登録日 : 2017年10月18日

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