応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

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  • 中央公論新社 (2016年10月19日発売)
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感想 : 289
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日本の歴史は応仁の乱前後で分かれるといわれるほどの戦いなのに、ほぼ内容を知らなかったため、手に取りました。

主に以下のことが新しく知れて、興味深かったです。
・応仁の乱の発端は、足利義政の後継者争いではなく、有力守護大名の畠山氏の家督争いであった。
・主な対立軸である細川氏、山名氏は早めに和睦を結んだものの、他の同盟者の思惑が入り乱れ、最終決着が長期化。
・足利義政が、畠山氏や他の有力者の争いで、討伐と釈免を繰り返し、節操が無さすぎる。。
・応仁の乱までは、守護大名は京都に住むのが普通であったが、乱後、自国の統治の重要さを感じ、自領地に住むようになった。
・足利義政・義尚親子のどちらが最高権力者か不明、義尚より後の将軍家がニ系統で分裂など、権力機構が思ったよりあいまい。
・将軍の力が弱くなった故、細川氏は、要職である管領を儀式の時だけ仕方なく拝命し、その後辞職する自由さ。

興福寺のニ高僧の日記をもとに当時の状況が説明されているため、直接応仁の乱とは関係ない興福寺及び奈良周辺の説明が長い、家督争いとそれぞれの同盟関係等が重なり、勢力図が覚えられない、そもそも人名が読めない等、読むのが困難な部分が多かったですが、全体的な応仁の乱前後の流れが知れて、とても有意義な本でした。
デマや噂話も多く、詳細な記録を辿るのも難しい時代を、このようにまとめられる学者の方の凄さも改めて感じました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年12月11日
読了日 : 2022年12月11日
本棚登録日 : 2022年12月11日

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