藍より甘く (幻冬舎ルチル文庫)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス (2009年10月15日発売)
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本棚登録 : 534
感想 : 54
5

もう10年以上前に書かれた本なんですね。今はもうない場所や、モノ、SNSの単語がちょいちょい出てくるので、あーそんなのあったなぁ、と懐かしくなります。

ノンケの彼女持ちの男の子が、友達だと思っていた男の子に告白され、意識していく。
暁行の混乱、戸惑い、惹かれる心模様が、日々の生活の中で時間をかけて変化していく様が、とてもうまいです。さすがです。もーするする読めます。一穂さんの文章、登場人物、ほんと好き。
遥のグズグズ感も、なんかジメジメしてないんですよね。好きで、諦められなくて、一緒にいたくて。

藍染という馴染みのない世界のことも、とても丁寧に描かれていて、面白いです。
遥かの藍染に関する気持ちも、暁行に対する気持ちも、なんか一緒なんですよね。大好きだけど、手に入らない寂しさ。強がっているようで、とても切ないです。

主役2人以外の登場人物たち(店長や彼女やお兄さんやら)も背景がきちんとしていて、世界は様々人たちと絡みあって、できているんだと思わせてくれます。
BLとしては、ちょっと物足りないかも。
でも、面白かった!
バーの店長さんの過去が気になるな〜。 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BL小説
感想投稿日 : 2022年6月9日
読了日 : 2022年6月7日
本棚登録日 : 2022年6月7日

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